トマトのお尻が黒くへこむ「尻腐れ病」を調べた|原因はカルシウムと水【野菜の豆知識⑩】
トマトを育てていると、実のお尻(ヘタの反対側)が黒く平たくへこんで、そこから腐ったようになることがある。最初は病気か虫かと思うけれど、調べると「尻腐れ病(しりぐされびょう)」という、カビや虫とは違う生理障害だった。
原因はカルシウム不足、でも土のせいとは限らない
尻腐れの直接の原因は、実の先端でカルシウムが足りなくなること。カルシウムは細胞の壁を作るのに使われるので、足りないと実の先が崩れてへこむ。
ややこしいのは、土のカルシウムが足りていても起きるところ。カルシウムは水に溶けて根から吸われ、水と一緒に実まで運ばれる。だから土の乾き・湿りの差が激しかったり、急に乾いたり、逆に水をやりすぎて根が傷んだりすると、カルシウムがあっても実の先まで届かない。窒素肥料が多すぎるときも、葉ばかりにカルシウムが取られて実に回らなくなる。
いちばん効くのは水を安定させること
調べた対処のなかで、繰り返し出てきたのが「水やりを安定させる」だった。カラカラに乾かしてから一気にたっぷり、を繰り返すのがいちばんよくない。土の表面が乾いたら早めに、量を一定にして与える。マルチ(株元を覆うシート)を敷くと土の水分が急に変わりにくくなるので、予防になる。
あわせて、窒素の効かせすぎを避ける。追肥で窒素の多い肥料を続けていたら、少し控える。すぐ効かせたいときは、塩化カルシウムを薄めた液(0.3〜0.5%くらい)を葉に霧吹きする方法もある。ただしこれは応急処置で、根本は水と肥料のバランスのほう。
できてしまった実は戻らない
一度黒くなった実は、残念だけど元に戻らない。早めに摘み取って、株の負担を減らしたほうがいい。放っておくとそこから傷んで、株全体が弱る。
尻腐れはトマトで有名だけど、ピーマン・なす・すいかでも同じ理由で起きる。実をつける野菜に共通する話なので、一度仕組みを知っておくと、他の野菜でも慌てずにすむ。
祖父母から引き継いだ畑で、知識ゼロから始める30代の栽培記録です。アドバイスや指摘はコメントで教えてください。
